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大江裕、デビュー10周年に燃える
 デビュー10周年を迎え、3月21日には師匠の北島三郎が書いた記念曲「大樹のように」をリリースした大江裕。これまでの活動を振り返ってもらいながら、新曲に賭ける意欲を語ってもらった。

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◆いかに自分らしくのびのび歌って、お客さまに届けるかを大事に

──まず、デビュー10周年記念曲への自信のほどから伺えますでしょうか。
【大江】 北島先生からいただいた曲ですので、自信がないなんて言ったら怒られますから(笑)、自信はあります。今回は初めての3拍子の曲で、これまでに馴染んできたリズムと違うものですから、ギクシャクしてしまって、歌い始めた頃には先生から「歌になっていない」なんて言われたりして難しいと思うこともあったんですけど。

──とてものびのびと歌っている印象ですので、そんなご苦心があったとは意外です。
【大江】 のびのび歌っているように聞こえるまでが大変だったんです(笑)。大変なのは僕だけじゃなくて、お客さまも同じみたいで、キャンペーンで歌った後に、一緒に歌っていただく機会も作るんですけど、皆さん少しずつズレていくんです。それにつられて僕もズレそうになったりして(笑)。

──大江さんならではの、ファンの方々との和やかな空気が想像できますね。
【大江】 ありがとうございます。大樹のようになりたいという気持ち、大きな志を歌っているんですが、その気持ちが強すぎると、歌をお客さまにぶつけるような感じになってしまいますから、受け取っていただけるように放る感覚で歌っています。

──なるほど、力強く歌ったら熱すぎたり、強すぎたりして感じられる可能性もある歌がそうなっていないのは、その心がけがあるからなんですね。
【大江】 先生からは、これまでに身につけてきたテクニックは全部忘れて歌えと言われましたので、あまりコブシも回していませんし、技術的なことよりも、いかに自分らしくのびのび歌って、お客さまに届けるかを大事にしています。

──歌が清々しく感じられるのは、そのせいでしょうね。
【大江】 そんな風に言っていただくと嬉しいです。僕は先生のことが大好きで歌ってきましたから、やっぱり似ていると言われることが多いんです。それも僕には嬉しいことなんですけど、似ていると言われているうちは“大江裕らしさ”は出せていないということでしょうし、先生を超えることだってできません。超えるなんて口にすることもおこがましいんですが、それくらいの気持ちで勉強していかないと近付くことだって難しいですから、そうやって歌いながら、自分らしさを磨いていけたらと思っています。

◆バラエティ番組は大事にしたいもう1つの原点

──10周年を迎えるまでにはいろいろなご苦労もあったでしょう。
【大江】 本当のご苦労をされている方からすれば、僕の経験なんて苦労ではないでしょうし、そういう経験ができるのもありがたいことだと思っているんですが、正直言って大変だと感じたことはあります。おかげさまでデビュー以来いろいろなタイプの歌をいただいてきましたけど、例えば9枚目のシングルの「こころ変わり」で初めて女歌を歌ったんですけど、僕は北島先生に憧れて歌手になりましたから、ずっと男歌を歌っていたんです。そこへ女歌をオリジナルでということになりましたから、はじめは抵抗がありました。

でも、プロはなんでも歌えて当たり前ですし、新米の僕が歌いたいとか歌えないとか言える立場じゃありませんから、一生懸命勉強して、どうしたら皆さんに気に入っていただけるか、迷いましたし、あれこれ考えもしました。でも、女歌に慣れていない僕が歌った割には、好きだと言ってくださる方が多くて、歌い手はどうこう言うんじゃなくて、まずいただいた曲を、お客さまが喜んでくださるようにお届けすることが大事なんだということを学ばせていただきました。改めて考えてみても、苦労なんていうのではなくて勉強の機会だったと思うんですが、そういう1つひとつを重ねて今を迎えさせていただいています。

──大江さんは、早い段階から歌だけでなくバラエティ番組にも出演されてきましたが、そうした活動を通して思っていらっしゃることは。
【大江】 まずは、ありがたいと思っています。僕は明石家さんまさんの『さんまのSUPERからくりTV』(TBS系)というバラエティ番組に出たことがきっかけで歌手になれましたから、もう1つの原点として大事にしたいですし、僕がバラエティに出ているのを観た子どもや若い人たちが「何だろう、この面白い奴は?」って興味を持ってネットで調べたりしてくれたら、そこには「演歌歌手」と載っているはずなので、そこから普段は聴かない演歌に関心を持ってもらえるんじゃないかという期待もあります。

──おっしゃるように、大江さんはバラエティ出身で、しかもとても親しみやすい印象です。明るく楽しく、細かいことは気にしないなんていうキャラクターだと思われがちでしょうが、実は繊細で物事をよく考える人。一般からの見られ方と本当の自分の間で悩むこともあったのでは。
【大江】 面白い人と思われるのはありがたいんですが、僕は芸人になろうと思って勉強したことはありませんから「なんか面白いことを言って」なんて要求されて困ったことはありました。でも、そこで「面白いことは言えません」って返したら終わってしまうので、どうしたら僕なりの面白い答えを出せるか考えながら、なんとかここまでやってきました。歌の師匠は北島先生ですけど、さんまさんも僕にとっては師匠のような存在ですから、その名を汚すことがあってはいけないと思っています。

──さんまさんとお会いになることは。
【大江】 昨年もお目にかかりました。「大江、お前、北島さんのところでちゃんとやれてるんか?」「結婚はせぇへんのか?」なんて聞かれて、「辛くて悲鳴出しそうになったら俺のところへ来い」なんて言ってくださって。そういう言葉をいただくと、なおさら悲鳴なんか出さないように頑張ろうという気持ちになりますけど、本当にありがたかったです。

◆師匠方にも見えるような活躍をしていきたい

──北島さん、さんまさんという2人の大物を師匠に持っていると、期待に応えようという気持ちが強すぎて苦しくなることはありませんか。
【大江】 あったとしても、それはありがたいことですから。いずれは、例えばさんまさんにお会いした時に心配されるのではなくて、「この間見たけど、すごかったな!」なんて言っていただけるように、師匠方にも見えるような活躍をしていきたいと思っています。この10周年には本当に良い作品をいただきましたし、優しいたけし兄さん(北山たけし)と全国を回らせていただける機会にも恵まれましたので、ぜひこれを活かして、師匠やファンの皆さまによいご報告ができるようにしていきたいです。

──では最後に、最近のお気に入りや興味のあるものを教えてください。
【大江】 ストールですね。僕って本来は暗い方なので(笑)、服の色も暗めのものを選ぶことが多いんです。地味だねと言われることも多かったので、2年前くらいからですかね、明るい色合いのストールを巻くようになったら「良いね」と言っていただくことが多くなって、ファッションにも興味が湧いてきたんです。今、50〜60本くらいありますね。

──歌には以前にも増して意欲を燃やし、さらにオシャレにも気を配るようになってきた。いよいよ、これは師匠方にも見える活躍をする時期が近付いているんじゃありませんか。
【大江】 オシャレと言っても首のまわりだけですからね(笑)。でも、時期が来るのを待つんじゃなくて、自分から向かって行くくらいの気持ちで頑張っていこうと思いますので、皆さま、応援をよろしくお願いいたします。

文/寧樂小夜

(提供:オリコン)
大江裕
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