梅澤美穂さんは、アパレル企業の服飾デザイナーを経て独立し、地元前橋に戻ってアトリエを構え、2017年6月に自身のブランド『miho umezawa』を立ち上げました。
「洋服は物心がついた時からすごく好きで、気がついたらデザイナーになるのが夢でした。思ったものをイメージのままに、ギャザースカートなどを母のミシンを借りて作っていました。高校卒業後に文化服装学院というファッションの専門学校で洋裁の基礎を学び、卒業後、アパレル企業に就職しました。
本当に新鮮なことばかりで、専門的な仕事をしている人と関わりを持ちながら洋服をデザインすることが出来て、楽しくデザインしていたのですが、年齢を重ねるとともに自分の実際に着たい服が変わってきてしまいました。装飾がある洋服よりも、もっとシンプルなものが着たいと思うようになってきたのです。そうすると、自分自身の好みのものを作るというよりは、誰かに喜んでいただけるものを作るという考えになっていたので、具体的にどういったものを作ればいいのか徐々にわからなくなってしまいました。すごく悩んでいる時期があり、そのタイミングで仕事の区切りがつく時があったので、一度会社を辞めてみよう!と決意しました。
退社してからどうしようかと考えていたのですが、もともとやりたかった自分が本当に着たい服を作るということを一度やってみようと思い、一から自分でパターンを引いて、生地を選んで、洋服を縫製するところまで行い、友人たちにだけ声をかけて展示会を行いました。そうしたところ、友人を通してセレクトショップのオーナーさんが来てくれました。その方のセレクトが私自身すごく好きなのですが、私の作った服を見たそのオーナーさんが、そのとき私の服をセレクトしてくれました。
会社を辞めて、さあ独立しよう!という気持ちではなかったのですが、選んでいただけたことで、あぁこの気持ちで自分が心から着たい服をつくるということでいいのかな・・・と思えたのが、独立をしようと思った一番のきっかけだったように思います。
今はシンプルに、どういうものを作っていくかということを突き詰められるので、自分で納得できるものを作れる環境なのかなと思っています。」
シンプルだけどシルエットに動きがある、さりげなく個性があってコーディネイトしやすいことを目指しているという梅澤美穂さんの服は、各地のセレクトショップやWEBショップで販売されています。
mihoumezawa.com
@umezawamiho
県内取り扱いショップ SABI https://sabi-web.com/
インタビュー:川上直子