2/13 子育てネットワークゆるいく 代表 井上昭子

井上昭子さんは子育てネットワークゆるいくを立ち上げ、「子育てサロン」や赤ちゃんと親が老人ホームやデイサービスに出向いてふれあう「赤ちゃんがいく」、そしてまえばし市民提案型パートナーシップ事業にも採択された「いのちの授業」を開催しています。

「いのちの授業」は、中学校に出向いて「赤ちゃんふれあい体験」、「妊婦体験」「いのちの話」の三本柱で行われます。

「赤ちゃんふれあい体験」では、中学生5~6人と赤ちゃんゲスト1組が約20分を過ごします。赤ちゃんとふれあってもらいながら、お母さんたちは赤ちゃんが生まれてきた時の話をしたりします。最初はとまどっている中学生が「赤ちゃんってかわいいなぁ」とニコニコしてふれあうようになり、感想でも「本当に赤ちゃんがかわいかった」「お母さんが素敵だった」「自分も赤ちゃんだったから親に感謝したい」といった声があがると井上さんは喜びます。

    

「妊婦体験」では、男子も女子も全員が約4キロの水を入れた妊婦エプロンをつけて、妊婦さんがどんな日常生活を過ごしているのかを体験します。水の中には生卵が入っていて、生卵が命だと思って大切にしてね!と言うと、みんなとても慎重な動きで体験してくれるのが印象的で、「動くのが大変だった」「重かった」「寝返りはとても大変だった」「階段を降りるとき、下が見えなくてこわかった」といった声が聞かれるそうです。

「いのちの話」では、お腹の中にいたときのことや、産まれてくる時にこんな力を発揮して産まれてきたんだといった生命誕生の素晴らしさや命の大切さについての話をし、「自分ってすごい」「命ってすごい」ということを実感してもらいます。また妊婦ゲストにも来てもらい、話を聞きくことで、妊婦さんに対する優しさも芽生えます。

    

「中学生には自分が産まれて来たことの奇跡を感じて、自分と他人を大切に思う心を養い、自己肯定感を高めるきっかけになってほしい。」「時代の流れに沿いながら、より良い居場所づくりをしていきたい。」「一人でも多くの人がここ群馬の地で子育てをしたいと思えることを目指して、これからも笑顔の循環、学びの循環を広げていきたい」と井上さんは目を輝かせています。

子育てで人と人、社会をつなぎ、笑顔の輪を広げる井上さんの活動には、先月産まれたばかりの可愛いお孫さんも、赤ちゃんゲストとして参加予定だそうですよ!

子育てネットワークゆるいくの活動については、フェイスブックでご確認ください。

https://www.facebook.com/yuruikugunma/

インタビュー:川上直子

 

2/6 子育てネットワークゆるいく 代表 井上昭子

井上昭子さんは、2014年に「子育てネットワークゆるいく」を立ち上げ、ママたちの居場所づくりとして「子育てサロン」を開催したり、赤ちゃんと親が老人ホームやデイサービスに出向いてふれあう事業「赤ちゃんがいく」、そして中学校に出向いて、「赤ちゃんふれあい体験」「妊婦体験」「いのちの話」の3本柱で中学生に命の大切さを伝える「いのちの授業」など、様々な活動を行っています。

   

目指す形があって、子育てネットワークを立ち上げた訳ではないという井上さん。33年前、仕事を辞めて結婚し、普通の主婦として現在30歳の長男、28歳の長女、24歳の次男の3人の子育てをする中、子ども育成会やPTAの役員など3人分務めたそうです。子どもたちと関わる中で、「私って本当に子どもが大好きなんだな」と思い、教師という道を選ばなかったことを悔やみ、25年目となるマタニティヨガの講師活動の中でも「私って本当に命の誕生を応援していくことが大好きなんだな」と改めて思い、助産師という道を選ばなかった自分を悔やむ日もあり・・・そんなある日、命の誕生や子ども達の未来を支える活動を知り、教師でも助産師でもない自分に出来ることはまさにこれだ!と思い至り、いのちの大切さを伝える「いのちの語り部」の道を2008年から歩み始めます。

小学校などへ行って「生命誕生の素晴らしさと命の大切さ」を伝える活動をしたり、親と子の愛着の絆の大切さを実感して前橋市内の産婦人科で産後教室”はぐいく”を開催。そんな活動を通して出会ったママたちから「私たちにも何かできることがないかな?老人ホームに行ったり、妊婦さんとふれあう機会もあったらいいですね」といった声がわき上がり、赤ちゃんの命の力、ママたちのエネルギーはすごい!何かできそうだなと思ってママたちに声をかけたのが「子育てネットワークゆるいく」立ち上げのきっかけだったと振り返ります。

また行ってみたい、あそこに行くと実家に帰ったみたいにリラックスできて楽しい!と思えるような「ゆる~」っとして子育てサロン展開。「ひとりで抱え込まずにみんなで楽しく育児しようよ」と呼びかけています。

   

子育てネットワークゆるいく フェイスブック  https://www.facebook.com/yuruikugunma/

インタビュー:川上直子

1/30 無農薬ハーブ農家 渋川飯塚ファーム 飯塚歩

飯塚歩さんは、2012年春、夫とともに農業に従事し、無農薬ハーブの栽培とハーブを使った加工品の製造販売を手がける「渋川飯塚ファーム」を始めました。群馬のフルーツにハーブを組み合わせた無添加ジャムやハーブティー、ピクルスなどを高崎駅東口 イーサイト高崎2階の直営店で販売しています。

7年前ハーブに焦点を絞った滑り出しは順調だったそうです。開発段階の様子をブログにUPすると、それを見た伊香保温泉の旅館から「うちの旅館で売らないか?」と声をかけられ、急いで商品化し販売。新聞にも掲載され、一気に伊香保の旅館が仕入れてくれて販路が広がります。しかし、お土産物としては瓶もので、一箱買って大勢に配れるものでもないので、ほどなく売れ行きも落ち着いてしまいます。そして「ハーブが組み合わせてあるというのは、特徴でもあり、わかりづらさでもある。これは自分たちで説明しながら売っていくほうがいいのではないか」と考え、伊香保温泉から撤退します。

その後、知り合いからマルシェ(イベント)への参加を奨められ、群馬県内のマルシェに出店したところ、SNSで拡散されたりと好評を博し、東京のイベントにも出店。売れ行きも好調でしたが、もっと広げていくにはどうしたらいいのか?と悩みが生じます。そこへ地元の百貨店から出店のオファーが舞い込み、出店するものの、挫折感を味わいます。それまでは、「このクオリティーでこの値段って安いね」と言われていたのに、「高い高い」と言われ、心がくじけたそうです。一瞬、安くしなければいけないのか・・・と思ったものの、値段を変えてはいけない、ひたすら商品の良さを知ってもらわなければしょうがないと思い直し、作り手の顔が見える店づくりを心がけるなどアピールしていきます。

加工品を作っていく上で心がけているのは、奇をてらったものを作らないこと。例えばいちごと、ローズヒップ・ハイビスカスを組み合わせたジャムも、いちごの良さを引き立たせるためのハーブ使いを心がけているそうです。

「直営店が百貨店から高崎駅イーサイト高崎に移転したのを機に、さらに多くの人に知ってもらい、”渋川飯塚ファーム”の商品だから大丈夫!と信頼してもらえるように努めたい。そして渋川にお店がない状況なので、いつか渋川にお店+見学できる製造所+商品が食べられるレストランがある総本店を作りたい」と飯塚さんは今後の夢を熱く語ります。

渋川飯塚ファーム   https://ameblo.jp/ikaho-farm/

インタビュー:川上直子

 

1/23 無農薬ハーブ農家 渋川飯塚ファーム 飯塚歩

飯塚歩さんは、新潟県出身。東京の大学で栄養士の資格を取得し、食品関係の会社に勤めた後、結婚。転勤族の夫とともに各地で生活を送ります。そして、2012年春から夫婦そろって夫の出身地・渋川で農業に従事し、無農薬ハーブの栽培、加工品の製造販売を手がける渋川飯塚ファームを始めました。

27歳で一人目をを出産。30歳になったとき突然太ったり体調が悪くなり、原因不明の体調の悪さを調べているうちにハーブに行きつきます。プランターでハーブを栽培したり、ハーブティーをブレンドして飲んだりと、ハーブにとても興味を持っていた飯塚さん。一方、サラリーマンのご主人は、もともと自分で何かしたいという考えを持っていたそうです。三人兄弟の末っ子のご主人は、兄(長男)が病床で「自分は何を残したんだろう」という言葉を残して亡くなったこともあり、サラリーマン生活のままでいいのか・・・と思ったそうです。そうして、ご主人の実家・渋川市に帰って農家になるという結論に至ります。

しかし、最初からハーブ農家になるつもりはなく、最初は青梗菜を栽培します。地元の農協が力を入れていたこと、収穫までのサイクルが早く、最初お金がないときに栽培するには良いのではないかと取り組みます。しかし、初回の収穫・出荷後、葉が縮れたり、黄色くなったりと良い青梗菜が収穫できず、窮地に陥ります。そんなとき、せっかくだからとプランターから畑に植えかえていたハーブだけが、なぜか元気に育っていたため、しょうがない、これを売ろう!とハーブを販売することになります。

あとあと考えると青梗菜を育てていた畑はとにかくやせた土壌で、軽石・礫が多く水はけが良すぎたのですが、それがハーブには非常に適した環境だったことに思い至ります。

ハーブに助けられ、ハーブに活路を見いだした飯塚さん。伊香保温泉まで車で10分の距離に畑があり、温泉もハーブも癒やし効果があるという、癒やしつながりで、ゆくゆくは渋川市・伊香保温泉も盛り上がられる農家になりたい、とハーブでやっていく決意をしたそうです。

渋川飯塚ファーム   https://ameblo.jp/ikaho-farm/

インタビュー:川上直子

 

1/16 イメージコンサルタント マキセンス代表 三木真紀

昨年4月、高崎で「マキセンス」を開業したイメージコンサルタント・三木真紀(みつぎまき)さんは、個人レッスンや、企業・団体を対象にしたセミナー講師をしています。

個人レッスンでは、似合う色がわかるパーソナルカラー診断と、骨格診断を実施します。パーソナルカラー診断は、例えばオレンジがかったコーラルピンクやローズピンクなどいろいろなピンクがありますが、その方に似合うピンクがどのピンクなのかがわかる診断です。お肌に透明感が増して健康的に綺麗に見えるのが一番の効果です。骨格診断では、似合うデザインと素材がわかります。こちらは実際にお体に触れたり、体の重心を見ながら似合う服の提案をしていくものです。同じスカートでもフレアスカートが似合う方、タイトスカートが似合う方などそれぞれの体に合った服がわかります。一番のメリットはスタイルをよく見せることです。

レッスンを受けた方からは「好きなものと似合うものは違うのですね」「今まで手に取ったことがなかったけれど挑戦してみます」といった声がよく聞かれます。自分らしいファッションスタイルがどういうものなのかを考えるよい機会になっているようです。レッスン前後で一番大きく変わるのは、やはり”表情”です。自分の魅力はこういうところにあるんだと知ると、笑顔が全く変わってきます。お客様の笑顔を見たときや、レッスン後2~3ヶ月経って周りの人から「素敵になったね」と声をかけてもらえるようになりました!とメールを頂いた時などにやりがいを感じます。

レッスンに入る前にヒアリングをして、ファッションの悩みやレッスンを受ける理由、どんな理想の自分になりたいのか、どんな風に生きたいのかを伺い、そこにフォーカスしたアドバイスをするように心がけています。

今はシェアスペースを利用してレッスンしていますが、将来的には専用の場所を設けて、より快適に、リラックスしてくつろいで過ごしていただける環境づくりを目指します。

マキセンス   TEL:027-333-1559   https://maki-sense.com/

インタビュー:川上直子

1/9 イメージコンサルタント マキセンス代表 三木真紀

三木真紀(みつぎまき)さんは、ファッションやメイクの提案を通して、外見・イメージをプロデュースするイメージコンサルタント。昨年4月に高崎市で「マキセンス」を開業し、個人レッスンや、企業団体を対象にしたセミナーを開催しています。

20年以上会社勤めをしていた三木さん。30代に入った頃から自分の生き方を考えたとき「このまま会社に勤めていたら後悔するのではないか」という思いが芽生えます。だからといって、自分のやりたいこと、何ができるのか、それを仕事にして展開して行けるのか?など、これと言ったものを見つけられずに30代が終わります。そして40代に入った頃、イメージコンサルタントという仕事があることを知った三木さん。後から考えると、イメージコンサルタントという仕事を知ったときには既に、「この仕事を一生の仕事としてやっていくんだ!」という気持ちがあったんだ感じるそうです。

母に連れられ、地元のデパートによく行っていたため子どもの頃からファッションやメイクが大好きだった三木さん。イメージコンサルタントになると決めてからの動きは速く、一流のところで学びたいと、世界三大ミス(ミスインターナショナル、ミスユニバース、ミスワールド)の公式トレーナーを務めている東京の養成スクールに通います。そして、似合う色がわかるパーソナルカラー診断、似合うデザインと素材がわかる骨格診断の技術を中心に身につけます。骨格診断はひとりひとりの体の特徴に合わせた似合う服がわかるというものです。

マキセンスを立ち上げるにあたって「地元への恩返しがしたい。そして女性にとってファッションは生き方やその方の人生を変えるくらいのエネルギーを持っていると感じている。群馬の女性はエネルギーや魅力を持っている方が多いが、その魅力やパワー、エネルギーを表現するのが苦手な方が多いと感じる。その方その方、おひとりおひとりに似合う服を身につけていただくことによって、自信をもってご自身を表現していただきたい」との思いを胸に起業した三木さん。群馬の女性を一層輝かせてくれそうです。

マキセンス   TEL:027-333-1559   https://maki-sense.com/

インタビュー:川上直子

 

 

 

1/2 群馬書房 代表 萩原のり子

昨年7月に群馬書房を立ち上げ、11月にスポーツエリアマガジン「エールスポーツ群馬」を発行した萩原のり子さんに創刊当初のことを伺いました。

『創刊してまもなく様々なメディアでも紹介され、読者からの問い合わせも頂き、順調なスタートと言いたいところですが、厳しかったです。創刊の準備が短かったこともあり広告の営業があまり出来なかったこと、そして新しいものが出るときは「様子を見たい」「創刊号が出てから考えてみたい」というところが多く大変でした。今後、より良い内容にしていくため地元のライター・カメラマンによって作り上げていく。そうすることによって地元の企業にも賛同していただける、応援していただけるような雑誌づくりを目指していきたいと思います。

「エールスポーツ群馬」は他では読めないような記事も掲載されています。例えば創刊号では2013年の高校野球の夏の大会で優勝した前橋育英のメンバー3人が掲載されています。埼玉西武ライオンズの髙橋光成選手と、一緒にプレイをしていたメンバーで、今だから話せるその当時の話をたくさんしてもらっています。

スポーツは選手はもちろん、それに関わるいろんな人がいるということを少しでも多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。

若い人にこういった雑誌の仕事に携わって欲しいので、一緒に雑誌づくりをしてもらえる学生さんに声をかけていきたいと思っています。』

2020年は東京オリンピック。萩原さんは注目の群馬関連選手として、前回リオデジャネイロ五輪でも代表入りしていた陸上の塩尻和也選手、水球の志賀光明選手、乗馬の髙橋正直選手、そして女子ラグビーワールドカップ2017日本代表の津久井萌選手を挙げ、東京オリンピックで活躍してくれるのではないかと期待しているそうです。

インタビュー:川上直子

 

12/26 群馬書房 代表 萩原のり子

萩原のり子さんは、長年営業として県内のフリーペーパーに携わったあと、群馬のスポーツエリアマガジンでの仕事を経て、今年7月、より一層群馬のスポーツにこだわった雑誌を発行するため「群馬書房」を立ち上げ、11月に、雑誌「エールスポーツ群馬」を創刊しました。

好きで始めたフリーペーパーの仕事でしたが、ライバル紙がたくさん出てきて飽和状態になったとき、もともと興味のあったスポーツの地域密着の雑誌があることを知ります。”地域密着”ができるなら、今度はスポーツの分野を手がけてみようと、萩原さんは、岩手県に本社がある会社が発行している「スタンダード」というスポーツ雑誌の群馬県の代理店として携わります。

まだまだ群馬にいても群馬のことを知らない・・・と感じることが多く、スポーツ選手や指導者、保護者、大会関係者などたくさんの人が関わってスポーツが行われている事を知る機会を得て、とても充実した日々を過ごしていました。

ただ、当初から本社との温度差も感じていたそうです。本社から指示される内容が、地元の読者や萩原さんたちが感じるものとかけ離れることが多く、これでは地元で発行している意味がないのではないかと疑問を感じることが少しずつ広がってくるようになっていました。

そんなとき、ローカルのスポーツ雑誌を展開している東京の出版社・三栄書房の話を聞く機会があり、いろいろ相談したところ、一番懸念していた編集権について「地元の会社が感じるものを取り上げたほうがいいものが出来る」と理解を得ることが出来たため、三栄書房の出している「エールスポーツ」の群馬版「エールスポーツ群馬」を、群馬書房を立ち上げて発行するに至りました。

群馬在住のライターさん、カメラマンさんを起用し、群馬出身の選手を長年追っているライターさんにも取材をしてもらい、今まで以上に群馬に密着した内容を届けることができる紙面になっています。

スポーツは、やっている人だけのものではない。応援している人はもちろん、もしかしたらスポーツに興味のない人でも見たり知ったりすることで、とても楽しく、感動できるということを「エールスポーツ群馬」を通して皆さんに知ってもらいたい!萩原さんはそんな思いで創刊したそうです。

12月28日には、「このまんまじゃ終われない!」というタイトルで、あきらめずに必死に努力を重ねるアスリートたちを特集した第2号が書店に並ぶ予定です。

インタビュー:川上直子

12/19 群馬県農業技術センター 花の研究員 田島明美

群馬県農業技術センターの花の研究員・田島明美さんは、コギクやアジサイの品種育成、栽培試験、育種をしています。

コギクは今まで黄色と白の群馬県オリジナル品種は出ているものの、赤がなかったということで赤の品種を育成し、もう少しで新品種が出せる段階まで来ているそうです。赤のコギクは種苗会社の品種でいろいろなものがありますが、つくりやすいものが無いということで、群馬県の気候にあった8月のお盆時期にきちんと開花する、病害虫に弱くないものを育成したそうですよ。コギクの赤は、暗い赤紫色が主流ですが、今回育成している県オリジナル品種は明るい赤紫色ということです。現在出願準備をしているところで、まもなく出願できる予定。来年度農家に苗を配布し、再来年2020年に出始める見込みです。

他にもコギクでは、国の委託試験でウイロイドという背丈が伸びなくなってしまう病気に抵抗性を持った品種の育成をしているそうです。

作業をする中では、交配したいものの開花期が会わず調節するのが大変なこともあるそうですが、田島さんは「自分が交配したものに種が出来、芽が出て、育っていったときには、すごく嬉しくてやりがいを感じる」と話してくれました。

来年度には、ウイロイドの抵抗性のあるコギクを世に出す予定や、アジサイの育種を始める予定があるそうです。アジサイは鉢物で、コンパクトで八重の新しい品種。切り花で中山間地を中心に出荷している秋色アジサイの色づきやすい品種を育成予定とのことです。

田島さんの地道な研究から誕生する新品種のコギクやアジサイ・・・世に出回るのが、今から楽しみですね!

県農業技術センターでは、様々な農産物の技術開発、課題研究に取り組んでいて、毎年10月に一般公開も実施しています。

日没後の温度管理の条件を変えて育てたあじさいの写真。育て方も含めて研究、改良するそうです。

インタビュー:川上直子

12/12 群馬県農業技術センター 花の研究員 田島明美

田島明美さんは、伊勢崎市西小保方町にある群馬県農業技術センターの花の研究員。コギクの品種育成や鉢物の品質向上などの研究に取り組んでいます。

高校生の頃、環境問題や自然環境、植物に興味を持ち、宇都宮大学農学部に進学。大学ではイチゴの栽培研究をしていたそうですが、群馬に戻っていろいろな研究がしたいと群馬県職員になり、配属されたのが花の担当で、それ以来20年ほど花を担当しているそうです。

最初に配属されたのは沼田にある当時の園芸試験場。トリカブトの切り花の品種育成やスプレー菊の開花調整の試験をしていたとのことです。群馬県はトリカブトの切り花の産地で、当時は3品種くらいが主流で開花期が限られていたので、もう少し幅広い期間で出荷するため早い時期に開花する品種の育成をしたそうです。

その後、群馬フラワーパーク近くにある「花と緑の学習館」や農林大学校で花の先生をしたり、農業事務所の普及指導員として農家にアドバイスをしたりする仕事に従事し、昨年度から現在の県農業技術センターに配属され、研究員として働いています。

去年は職場も変わり、ひさしぶりの研究職ということで、わからないことがたくさんあり、いろいろ教えてもらいながらの研究で、交配作業をするときは係の中に経験者がいなかったため、不安を感じることもあったそうです。

     

研究には、観察力や日々の地道な作業が必要で、試験をまとめる時のことを考えて、落ちのないように試験区の設定をできるかどうかが一番重要になってくるそうです。田島さんは「自分で栽培をして、いろんなことがわかっていくところに”やりがい”を感じるし、この研究が花の農家に役立つと思うとうれしい」とおっしゃっていました。

群馬県農業技術センター
伊勢崎市西小保方町493

インタビュー:川上直子