前橋市在住の新井舞さんは、脱毛症の子どもたちが快適に、気軽につけられるウィッグ=かつらを開発し、ネットショップ「DREAM ASSORT」で販売しています。
新井さんの次女が生後11ヶ月のときに脱毛症となり、3歳頃にはもう帽子では隠せないくらい脱毛が進行してしまったそうです。そのとき初めてフルオーダーのウィッグを作ったものの、出来上がってきたウィッグを娘さんが付けた時「チクチクして痒い!」と嫌がり、なんと受け取ったその日から付けることを拒否・・・なんとか使ってもらおうと、チクチクしないようにガーゼやフェルトなどを裏側に縫い付けるなど工夫をしてみたものの、うまくいかなかったそうです。
また、娘さんの脱毛症の症状が、小さい脱毛斑がいくつもできる多発型から、髪はもちろんまつげや眉毛など毛がすべて抜け落ちてしまう汎発型に進行したとき、新井さんは治療記録を残す目的でブログを開設しました。このブログには脱毛症の子どもを持つお母さんたちからの反響が思った以上に寄せられ、お母さん達との交流が始まります。この交流を通して、今自分で使っているウィッグの問題や、子どもの脱毛をどう隠せばいいかなど、悩みをかかえる人が多いことに気づきます。そんなお母さん達の声や自分の経験をもとに、より快適なウィッグを作れないか?と思い至ります。
そしてその思いを強く後押ししたのが、娘さんの言葉でした。
小学校入学が近づいている頃、冬から春先にかけて生えそろっていた髪が再びいっきに抜け初め、母親である新井さんは小学校生活が心配でどうしようもなくなってしまい、いけないことと思いつつ娘さんの前で泣いてしまいます。もちろん娘さんも大泣き。ただ、娘さんは泣きながら「髪の毛のことは辛くない。ママが泣くから辛いんだよ」と言ったそうです。新井さんはこの言葉に衝撃を受け、「二度のこの子の前で泣くことはしない!」と誓います。そして、今この瞬間も、自分たちと同じように涙を流している親子がきっとどこかにいるはず・・・その人達のためにも何かできることがあるのではないかと思い、ウィッグ開発への思いを強くしたそうです。
新井さんが開発した脱毛症の子ども用ウィッグ「Fun Kids Wig!」は、脱毛した頭皮に触れる部分に肌にやさしいネットを使い、帽子をかぶって使うもので、3種類あります。
https://dream-assort.wixsite.com/dream-assort
ブログ「だいすき~小児脱毛症と戦うわが子~」 https://ameblo.jp/yumemama-924
インタビュー:川上直子