埼玉県出身の高橋枝里さんはものづくりが好きで、ピンク色やリボンを使ったカワイイデザインの手作りポーチやバッグなどをネットショップで販売していますが、この秋、沼田市の地域おこし協力隊員となり、沼田市の伝統工芸技術を継承するため、桑細工の伝統工芸士・一倉忠さんの元で修行をしています。布や皮を素材とする小物づくりとは違う、木を素材とする桑工芸に向き合うことになった高橋さん。桑細工の魅力について「桑細工は木工ろくろを使って、回転している木に刃物を当てて削っていく。ろくろによって生み出される曲線は、木の堅さをなくしてくれる。優しさや温かみがあるものを作れるのが魅力。形で勝負となったとき、曲線の柔らかさはカワイイにつながる。」と話します。
初めて桑細工に挑戦したときは、うまく挽けず、すごく無駄な力が入ってしまい肩がこったという高橋さん。「師匠が挽くと全然力がいらない。削る音も、師匠はシャシャシャシャっときれいな音で、自分が削るとガガガッとという音になる。師匠の姿はかっこいい。」「難しいが慣れれば出来る!という自信もある。」「どういうデザイン、どういう人に使ってもらいたい、どういう機能を持たせたいといったことを考える上では前歴のデザイナーの経験も活かせる。伝統工芸・桑細工を習得し、その上で新しいデザインを取り入れて、新しい桑細工を作りたい」と夢を語ります。
地域おこし協力隊員に任期は最長3年間。修行を経て、高橋さんがどんな桑細工を生み出すのか、楽しみですね。
インタビュー:川上直子