平方仁美さんは、群馬県認知症疾患医療センターに指定されている上毛病院(前橋市下大島町)の精神保健福祉士。昨年6月からは県若年性認知症支援コーディネーター第1号としても活動しています。
さかのぼると小学生のときから、障がい者や高齢者が気になっていたという平方さん。たとえば、電車に乗っていて、ひとりでしゃべっていたり、笑っている障がい者がいたら遠ざける人が多いのを見て、「なんで・・・みんなそんな冷たい目で見ないで。どうして・・・」と思っていたそうです。でも力になってあげられるかというと、何も出来ない自分がいた・・・そんな小学生時代が始まりだと話します。
中学生・高校生になると、知的障害の方々が入所している施設に個人的にボランティアに行き、純粋に知的障害を抱えている方と関わる、接するのが楽しいと感じたのと同時に、いろいろ抱えている問題があることに気づき、そういう方々の生活面で何かお手伝いが出来ないだろうかという思いから福祉系の大学に進学します。主には社会福祉士の資格をとろうと思っていたところ、精神保健福祉士の実習に行き、そこで一番に感じたのが「何も私たちと変わらないじゃないか」ということだそうです。平方さん自身、実習に行く前はこわいイメージや大丈夫だろうかという心配を抱えていたそうですが、全然そんなことはなく、普通に話をし生活している方々がいる・・・でもやはり精神障害を抱えていることによって、多くの困難さや生きづらさがあることを知り、何かできることがないか、頑張ってみたいという思いから資格を取得し、精神保健福祉士になります。
仕事を始めて今年8年目。若年性認知症の支援が大きくピックアップされるようになってきて、上毛病院の精神保健福祉士として、若年性認知症支援コーディネーターの委託を受け、平成29年6月から第1号として活動しています。
いろいろな問題が重なり合っているのが若年性認知症。そんな大変な仕事が私に務まるのかという心配、不安や第1号というプレッシャーも大きかったそうですが、子どものころから正義感・責任感が強かった平方さんは「任されたからにはしっかりやりたい、頑張りたい!」と今日まで突っ走ってきた・・・と力強く語ってくれました。
県若年性認知症支援コーディネーター事業 相談窓口(上毛病院内)
月~金 9:00~17:00 TEL:027-266-1748
インタビュー:川上直子