昨年6月から県若年性認知症支援コーディネーター第1号として活動している、上毛病院の精神保健福祉士・平方仁美さん。コーディネーターの仕事について語ってくれました。
「簡単に言うと最初から最後まで、総合的に中長期的に関わらせていただく仕事です。自分や家族が若年性認知症かもしれない、あるいは若年性認知症と診断されました。どうしたらいいでしょうか?何か使えるサービスや制度はないでしょうか?そういった相談を受けています。
一番多く聞かれるのは経済的な相談です。たとえば40代男性、一家の大黒柱が若年性認知症になってしまった。住宅ローンも抱え、学生の子どももいる、仕事にも行けない、どうしよう・・・そういった患者さんの状況を把握し、使える可能性のある制度を紹介させていただきます。たとえば障害年金、医療費の助成制度、障害者手帳などです。たとえば医療費の助成ですと、外来通院している患者の場合、自立支援医療費という制度があります。健康保険証で受診すると自己負担割合が3割ですが、この制度を申請すると1割まで下がります。知らなかったという人がたくさんいるので、多くの方々に紹介しています。
コーディネーターとして心がけているのは、自分だけではなく患者さんの周りにいる他の専門職=主治医の先生や保健師さん、行政機関の職員、サービスの担当者の方などと連携・情報共有です。どうしていったらいいかを、みんなで考えさせていただくようにしています。
自分自身が最近物忘れが多く、若年性認知症かな?と心配になったり、家族や職場の同僚・上司がちょっと最近物忘れが多い、ミスが多いなと気づく場合もあります。そういう場合は、躊躇せず、早く医療に繋がっていただきたいです。そうすると、進行を遅らせる治療を受けられる場合もありますし、先々の生活の見通しを早く立てやすいというメリットがあります。
今後は、若年性認知症の方々が気軽に集まってお互いの相談ができる、集まれる場、集まれる会を作っていきたいです。そのためには、行政の力も借りなければならないので、うまく連携していきたいと思います。」
県若年性認知症支援コーディネーター事業 相談窓口(上毛病院内)
月~金 9:00~17:00 TEL:027-266-1748
インタビュー:川上直子