田島明美さんは、伊勢崎市西小保方町にある群馬県農業技術センターの花の研究員。コギクの品種育成や鉢物の品質向上などの研究に取り組んでいます。
高校生の頃、環境問題や自然環境、植物に興味を持ち、宇都宮大学農学部に進学。大学ではイチゴの栽培研究をしていたそうですが、群馬に戻っていろいろな研究がしたいと群馬県職員になり、配属されたのが花の担当で、それ以来20年ほど花を担当しているそうです。
最初に配属されたのは沼田にある当時の園芸試験場。トリカブトの切り花の品種育成やスプレー菊の開花調整の試験をしていたとのことです。群馬県はトリカブトの切り花の産地で、当時は3品種くらいが主流で開花期が限られていたので、もう少し幅広い期間で出荷するため早い時期に開花する品種の育成をしたそうです。
その後、群馬フラワーパーク近くにある「花と緑の学習館」や農林大学校で花の先生をしたり、農業事務所の普及指導員として農家にアドバイスをしたりする仕事に従事し、昨年度から現在の県農業技術センターに配属され、研究員として働いています。
去年は職場も変わり、ひさしぶりの研究職ということで、わからないことがたくさんあり、いろいろ教えてもらいながらの研究で、交配作業をするときは係の中に経験者がいなかったため、不安を感じることもあったそうです。
研究には、観察力や日々の地道な作業が必要で、試験をまとめる時のことを考えて、落ちのないように試験区の設定をできるかどうかが一番重要になってくるそうです。田島さんは「自分で栽培をして、いろんなことがわかっていくところに”やりがい”を感じるし、この研究が花の農家に役立つと思うとうれしい」とおっしゃっていました。
群馬県農業技術センター
伊勢崎市西小保方町493
インタビュー:川上直子