10/18 音訳専門員 矢尾板洋子 

音訳専門員 矢尾板洋子さん

矢尾板洋子さんは、視覚に障害がある方のために、様々な書籍などを、音に訳す「音訳ボランティア」として20年以上活動しています。また、後進の育成にも力を入れていて、10年以上、養成講座の講師もつとめ、現在は音訳専門員として、県内で活動する80人ほどの音訳ボランティアのサポートも含めて活動されています。

そんな音訳ボランティアとして活動するには、養成講座を受ける必要があります。発声や発音、イントネーションなど、文章を読むことについての基本的なポイントから始まり、音訳ならではの写真や絵、表などをどのように言葉にしていくのかについて知識や技術を実際に課題の本を読みながら学んでいきます。

このような養成講座をうけたのち、実際に活動していきます。1冊の本を音訳するには、1つ1つの言葉の読み方の確認がもちろん、出てくる地名や物語りの背景、歴史などを調べたり、本と深く向き合うことになります。その中では忘れられないステキな本との出会いもあるそうです。そういった1冊との出会いもこの「音訳ボランティア」の魅力ではないかと、矢尾板さんはお話されていました。

音訳ボランティアは全国各地の点字図書館などで活動しています。群馬県では、群馬県立点字図書館で、現在は80人ほどの音訳ボランティアが日々録音図書を完成させるために、自分に割り当てられた1冊に向き合っています。できあがった録音図書は、利用者のためにウェブ上の「サピエ図書館」にアップされます。利用する方はそこからダウンロードして聞くことができます。録音図書は全国各地で活動する音訳ボランティアの成果がアップされる訳です。

そんな中で群馬県立点字図書館で手がけた録音図書は、利用者の方から「聞きやすい」と評判が良いそうです。丁寧な読みと校正、編集、それらが利用する方に届いているということですね。

矢尾板洋子はこの群馬県立点字図書館の音訳の良さ、伝統を今後も引き継いでいけるために自分も力を尽くしたいとお話されていました。音訳ボランティアについて気になった方は、ぜひ群馬県立点字図書館にお問合せ下さい。