飯塚歩さんは、2012年春、夫とともに農業に従事し、無農薬ハーブの栽培とハーブを使った加工品の製造販売を手がける「渋川飯塚ファーム」を始めました。群馬のフルーツにハーブを組み合わせた無添加ジャムやハーブティー、ピクルスなどを高崎駅東口 イーサイト高崎2階の直営店で販売しています。
7年前ハーブに焦点を絞った滑り出しは順調だったそうです。開発段階の様子をブログにUPすると、それを見た伊香保温泉の旅館から「うちの旅館で売らないか?」と声をかけられ、急いで商品化し販売。新聞にも掲載され、一気に伊香保の旅館が仕入れてくれて販路が広がります。しかし、お土産物としては瓶もので、一箱買って大勢に配れるものでもないので、ほどなく売れ行きも落ち着いてしまいます。そして「ハーブが組み合わせてあるというのは、特徴でもあり、わかりづらさでもある。これは自分たちで説明しながら売っていくほうがいいのではないか」と考え、伊香保温泉から撤退します。
その後、知り合いからマルシェ(イベント)への参加を奨められ、群馬県内のマルシェに出店したところ、SNSで拡散されたりと好評を博し、東京のイベントにも出店。売れ行きも好調でしたが、もっと広げていくにはどうしたらいいのか?と悩みが生じます。そこへ地元の百貨店から出店のオファーが舞い込み、出店するものの、挫折感を味わいます。それまでは、「このクオリティーでこの値段って安いね」と言われていたのに、「高い高い」と言われ、心がくじけたそうです。一瞬、安くしなければいけないのか・・・と思ったものの、値段を変えてはいけない、ひたすら商品の良さを知ってもらわなければしょうがないと思い直し、作り手の顔が見える店づくりを心がけるなどアピールしていきます。
加工品を作っていく上で心がけているのは、奇をてらったものを作らないこと。例えばいちごと、ローズヒップ・ハイビスカスを組み合わせたジャムも、いちごの良さを引き立たせるためのハーブ使いを心がけているそうです。
「直営店が百貨店から高崎駅イーサイト高崎に移転したのを機に、さらに多くの人に知ってもらい、”渋川飯塚ファーム”の商品だから大丈夫!と信頼してもらえるように努めたい。そして渋川にお店がない状況なので、いつか渋川にお店+見学できる製造所+商品が食べられるレストランがある総本店を作りたい」と飯塚さんは今後の夢を熱く語ります。
渋川飯塚ファーム https://ameblo.jp/ikaho-farm/
インタビュー:川上直子