智乃さんは、群馬県出身・在住の詩画作家です。
2012年に地元の専門学校を卒業。
翌年に東京の公募展へ初めて出展し、作家活動を始めます。
主に、涙を流している髪の長い女性像と詩を合わせた作品を描いている智乃さん。
ふんわりとした色使いに光りのきらめきがアクセントになっている綺麗な作品ですが、
そこに描かれている髪の長い女性は涙を流し、悲しげな表情を浮かべています。
智乃さんは幼少期に小児がんを患い、抗がん剤で髪が抜け落ちていったそうです。
なぜ自分が・・・と日々苦しんできました。
当時の思いを絵に込めようと、傷つきたくない生身の自分の身代わりを絵の中に表現しているそうです。
また作品の色使いは、「紫」を基調としています。
紫は、青と赤を混ぜたり、青緑とピンクを混ぜたりして作ります。
それはアザや血の色、すなわち生命の色だと考えるようになり、
このあたりの色を使うようになったといいます。
そして作品を見た人からは「情念を感じる」「湿度を感じる」という言葉をもらったり、
中には涙を流しながら抱きしめてくれたりする人も。
自分の思いから始まった作家活動にも関わらず、
「言葉にならないけど、ありがとう」と感謝されることもあるそうです。
悲しみ、怒り・・・過去の様々な感情を詩に表し、絵の中の女性は自分の身代わりになってくれる。
それだけではなく、絵を通して誰かの感情に寄り添うことができているのでは。
とてもありがたいことだと、智乃さんは語ります。
そんな智乃さんは、自分の思いを朗読で表現することにも挑戦しています。
次回ご紹介していきますので、どうぞお楽しみに♪