坂本さんは、前橋市出身・在住。
世界バドミントン連盟に所属する国際審判員で、今年の夏のパリオリンピックで日本人女性で初めてオリンピック バドミントン競技の審判を担当しました。
教員の仕事と平行して国際審判の活動を行っていた坂本さん。
パリオリンピックの審判のオファーは、坂本さんが伊勢崎清明高校の教員をしていた1年前に連絡が来たそうです。
「国際審判になったからにはオリンピックで審判をしたい」と志していた坂本さんですが、コロナ禍であまり海外の大会にできていないこともあり不安に思う気持ちが大きかったそうです。
そこで、オリンピック本番までにできるだけ多くの国際大会で経験を積むため、30年ほど続けた教員を今年の3月で退職する決断をしました。
そしてオリンピックに向けては、昨年の9月にアジアのオリンピックと言われるアジア大会、今年1月にマレーシア、3月にフランス、5月にタイ、6月にオーストラリア、7月にカナダと世界各国の国際大会で審判し、経験を積んで挑みました。
このように数々の大会を経験していても、やはり当日は緊張するそうです。
特にプレッシャーを感じる場面が、最初の選手の名前を紹介するアナウンス。
審判もパフォーマンスを上げることが求められることから、呼び慣れない世界各国の選手の名前を真っ直ぐカメラを向いて間違えずにアナウンスしなければなりません。
ここで間違えてしまうと試合中も自分の中で引きずってしまうそうで、かなりプレッシャーがかかるところなのだそうです。
そして何より難しいことが、咄嗟の判断です。
ネット際のタッチやオーバー、服に触ってシャトルがアウトになることなどは全てフォルトという反則になるそうです。
ビデオ判定はラインのインアウトの判断しかできず、フォルトの判定は全て主審である坂本さんがしなければなりません。
常に向上心を持ってチャレンジし続け、目標の1つだったオリンピックの審判を担当した坂本さん。
この先の目標は、BWF所属のセミプロの審判になることです。
今は1試合担当するごとに報酬をもらっていますが、お土産を買ったらほとんど残らないほどだそうです。
セミプロは、1年間の給与をもらって各大会に派遣されるシステムなので、安定して審判の活動を続けることができます。
ただ、セミプロになるのも狭き門。
次の募集は2026年にあるので、今は英語力と審判技術を高めていきたいと語ってくれました。
そしてその努力の先にロサンゼルスオリンピックと、坂本さんの挑戦は続きます。