人は足りないものに敏感です。それは時間だったり、お金だったり、チャンスだったり。逆に、満たされている部分にはあまり目を向けません。水や空気はあって当たり前。ましてや、家族の愛情となれば、なおさらのこと。
この作品の主人公ウィル・ブルームは、もうすぐパパになる結婚3年目のジャーナリストです。そんなウィルのもとに、父・エドワード危篤の知らせが飛び込んで来ました。かつては大の仲良しだった父子も、このところ何かと疎遠です。ちょっと大げさなホラ話で人を楽しませる父を、生真面目なウィルはみっともないと思っていました。いつも注目を集める父の人気に嫉妬していたのかもしれません。さらに、病床に駆けつけたウィルにエドワードが話し出したのはいつものホラ話。がっかりして、父の荷物整理に取り掛かったウィルは「冒険譚」に関わる手帳を見つけます。これを機に、若き日の父の足取りを調べることになったウィル。そこで彼が出会ったのは「真実」と「愛情」が散りばめられた家族の物語でした。
この「ビッグ・フィッシュ」は、近すぎて見えず、溢れすぎて感じられなかった家族の愛情を可視化し、「こんな風に愛してほしい」から「こんなに愛されていたんだ」に視点を変えてくれる不思議な作品です。生と死と、出会いと離別とをおとぎ話のように描いたのはティム・バートンならでは。「ビッグ・フィッシュ」はあなたの心に温かな火を灯す一本です。
G★FORCE パーソナリティー 櫻井 三千代
『ビッグ・フィッシュ』 発売中
Blu-ray ¥2,381(税抜)/DVD ¥1,410(税抜)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント