M1> All Of My Love / シャンティ・サヴェージ
1996年にリリースされていました「I Will Survive」から。
シカゴ出身のソウル・ディーヴァ「シャンティ・サヴェージ」のサード・アルバム。
オルガン、ウッド・ベースがジャジィに響くミディアム~スロー・ナンバーでまとめられたクールなR&Bアルバム。
スモーキーな声で唄う、ミディアム・グルーブが心地よくて、彼女の歌唱力とアレンジがすばらしいアルバム。
グロリア・ゲイナー(Gloria Gaynor)の大ヒット曲を、バラードに仕立て直してカバー。
ちょうどリリースされた1996年はR&Bの最盛期なんて言われていて、毎週新曲がリリースされれば、その中でもアレンジや、クオリティで凌ぎを削リあいながらの浅学時代。
いわゆるR&Bバブル。
そんな中リリースされたシャンテのこのアルバは、全体的にはしっとりとした質感で余裕の仕上がりです。
目立った派手さはないものの、しっかりとベースラインで聞かせてくれる流れ。
それもゆったり深いかんじで。
90年代の音という感じはもちろんしますが、この時代にこのリズム、ベースラインは僕は気持ちよくて、スッポリと包み込んでいくリズムの毛布に包まりたくなります。
絶妙なソウルアルバム♪
僕を包みこんでおくれ!シャンティ!シャンティ♪
M2> ザ・プロディガルズ・リターン / ディック・コネット
現代音楽家「ディック・コネット」によるアメリカン・フォークの魅力に魅せられて、どっぷりと自分の完成と向き合い、再編曲再録音再演作したアルバム。
アヴァンギャルド系のディック・コネットが、アメリカン・トラディショナル音楽に触発されて録音した1枚。
98年リリースされたアルバム「ラスト・フォーエヴァー」から。
ヴォーカルはピート・シーガーの姪、「ソニア・コーエン」
彼女の素朴で味わいがあり、慈愛に満ちた歌声がこの曲を一段と魅力ある曲にしています。
余分なものが削ぎ落とされて、自然の中に溶け込んでいくようなその声は美しく輝きます。
広がる草原、荒野?勝手に想像してしまう景色。
チェンバロの一種の楽器「スビネット」、「フィドル」、「ハモニウム」、「ストリングス」などが肌にフィットして・・・。
古きよきアメリカの原風景を呼び覚まします♪
過ぎ去ったアメリカを今の言語で歌うところに、このアルバムの並はずれたクオリティが隠されています。
構想10年、録音に4年を要した力作なのに力が抜けたような作品。
こだわりぬいた結果がこのシンプルになったように感じます。
新鮮な響きが美しく,アメリカと欧州のつながりへと思いは広がるのです・・・。