M1> A Child Is Born / アビー・リンカーン
ジャズヴォーカリスト「ビリー・ホリデイ」を敬愛し、しばしばビリーの後継者と評されてきた「アビー・リンカーン」。
そんな彼女が92年にリリースした「デビルズ・ガット・ユア・タング」から。
当時、映画女優としても活躍するなど知的でグラマラスで魅力的。
しかし、その反面1960年代は公民権運動に参加するなど反骨精神に溢れた女性でもあったらしい。
70年代には騒々しい世界からリタイヤし、ジャズの世界からは離れた彼女。90年代に再びジャズシーンに復帰してすぐのアルバムがこの「デビルズ・ガット・ユア・タング」
あまり明かされていない空白の時間から復帰して魅せたジャズの景色にドキッとする。
ビリー・ホリデーの世界にグッと近づいているのだもの♪
少し、耳に絡みつくような歌声は特徴的。
ずっと聞いていてもこの粘りが癖のようなものに変化する。
アルバム11曲中7曲が自作。説得力に溢れる濃厚さ。
音像が明確なアビー・リンカーンの世界をじっくりと濃厚にお楽しみください♪
M2> Anniversary / tony toni tone
トニー・トニー・トニーが93年にリリースされた名盤。
「Sons of Soul」より。
60年代、70年代、ソウル、ファンク・・・全てのエッセンスを抽出したような楽曲、
調和したハーモニー、そして打ち込みのないリズムセクション。
ソウル・ミュージックを聴きはじめたばかりの頃に出会った音がコレだったものだから、ソウル・ミュージックの味はコレが正解だと思い込んでいました。
しかし、今聞いてもその根源は揺るがないので考えは正解だったようです。
実際、このアルバムがトニーズの出世作。
僕のようにこのアルバムによってソウルにはまった人も沢山いるでしょう。
アルバムの序盤は一気になだれ込むようにリズム先行・・・踊らされ。
中盤からはじっくりと聞かせに入る・・・。そして一気に虜にさせる。
4曲目の「Tell Me Mama」も大好きだが、耳の奥でずっと何年も居座り続けているこの曲をどうぞ♪
あの時代のソウルを見事にトニーの音に仕上げている。
トニー・トニー・トニーは本物のソウルを我々に届けてくれます♪